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夜勤がつらいのは”慣れてない”とか”根性がない”ためと誤解している人がいますが、夜勤は”慣れ”や”根性”の問題ではありません。

むしろ長く続けるほど身体へのダメージが蓄積されて、健康を害していきます。夜勤がつらいのは当たり前です。

夜勤は身体にとって確実に悪い影響があることが数々の研究によって示されています。

夜勤は寿命を縮める

夜勤が寿命に与える影響は、フランスのヴィスナール教授の研究が有名です。彼は二万人もの交代勤務労働者を対象に夜勤と寿命の関係を調べました。その結果は、夜勤によって寿命が10年以上縮まるという衝撃的なものでした。

これはフランスの研究結果でやや古い研究とはいえ、10年も寿命が縮むとは恐ろしい話です。あくまで平均で10年なので、相当の数の人が若くして亡くなっています。

フランスの偉いところは、この報告を受けて夜勤労働者の待遇を劇的に改善することを義務づける法律を制定したところです。温かい食事、休養室に宿泊施設、防音や遮光の義務、さらには夜勤の人のために国営放送などを用意しました。

女性の夜勤労働者は乳がんのリスクが2倍

カナダの研究では夜勤を30年以上続けると、乳がんのリスクが2倍になるとの報告があります。いうまでもなく乳がんはとても怖いガンで、患者の20%が死亡します。

研究者らは睡眠ホルモンであるメラトニンの分泌の低下に伴い、女性ホルモンが増加することが乳がんのリスクを高めていると考えています。これは人工的な照明の元で不規則な生活が原因かもしれません。

乳がんと夜勤の関係を調べた研究は欧米に多く、殆どの研究が夜勤によって乳がんのリスクが上がるとしています。

若者の夜勤はリスクがさらに高い

よく夜勤は若いうちじゃないとできない、というような言葉を聞きます。若いうちは体力があるから夜勤はなんとかなっても、体力が落ちる年配では厳しいという意味でしょう。

たしかに体力面ではその通りです。しかし長期的な健康リスクという面では、むしろ夜勤は若者こそ避けるべきです。

たとえば、20代の子どもを産む前の女性の夜勤は、年長者よりの夜勤よりもがんリスクを高めるとの報告があります。これは出産前の若い女性の方が女性ホルモンの変化の影響をより受けやすいためでしょう。”若いから大丈夫”ではなくて”若いから危ない”という認識が必要です。

夜勤労働者は胃腸障害が多い

名古屋大学が約1万を対象にした調査によると、胃腸の障害の発生率は夜勤者では通常勤務者の2倍以上になることがわかりました。胃潰瘍と十二指腸潰瘍の患者の3人に1人が夜勤労働者ということです。全労働者に占める夜勤の人は5人に1人もいないので、夜勤の人は相当胃腸に障害が出やすいことになります。


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